はじめまして、いずこです。
突然ですがみなさんは、物語の登場人物になりたいと考えたことはありませんか?
私はめちゃくちゃあります。
学生時代は、わざとパンをくわえて角を曲がったり、意味も無く眼帯をつけて「レッツパーリー!」と叫んだりしていました。今となっては良い思い出です。
そんな登場人物への憧れが強い私ですが、まだ、どうしてもなりたい登場人物がいます。
それがこちら…
そう、犯人です。
物語の中でもかなりの主要人物で、名探偵を欺く知的な犯人にめちゃくちゃなりたいのです。
しかし、現実世界で事件を起こして本当の犯人には絶対なりたくない…。
どうすれば物語の犯人になれるのか考えたところ、
物語の奇想天外なトリックを再現する
という結論に至りました。
そんなわけで、物語の犯人になったつもりでトリックを再現してみたいと思います。
今回、再現するのは私の大好きな作品、
江戸川乱歩の『屋根裏の散歩者』です。
わからない方のために、あらすじを説明すると、
郷田三郎はこの世が面白くなく退屈な日々を過ごしていた。
そんなある日、偶然に押し入れの天井板が外れ、屋根裏に通じていることに気づいた郷田は、屋根裏の散歩を楽しむようになる。
節穴から他人の生活を盗み見ることに夢中になっていたある日、郷田は虫の好かない遠藤が口を開けて真上から見ているうちに、節穴から毒薬を垂らして遠藤を殺害することを思いつく。
ちなみに名探偵 明智小五郎が登場している作品なので、どのようにしてこのトリックを暴くのかは小説で読んでいただければと思います。
準備
この小説のトリックの仕組みは
屋根裏の節穴から、毒薬を垂らすという超シンプルなトリック
しかし我が家には屋根裏がないので
ベッドを使って再現したいと思います。
下から見るとこんな感じ。
ベッドの上を屋根裏
ベッドの下を部屋だと思ってください。この再現は思い込みがないとできません。
また、小説では節穴から毒薬を垂らしているので、
節穴を設置しました。(百均で売っているチョーク入れの蓋です。)
ちなみに私は犯人なので
それっぽい格好をしています。
さて、準備も整いましたので、『屋根裏の散歩者』トリックの再現をご覧下さい。
再現スタート
「くくく…"あいつ"もまさか私が屋根裏から毒薬を垂らし込むとは思うまい…」
「部屋に"あいつ"はいるかな…」
怖っ。
ターゲットに天狗を選んだのですが、想像以上に怖かったのでビックリしました。
ここで毒薬を垂らす前に、小説と同じように真下に口があたるか確認します。
節穴から糸を通して、天狗の口元に当たれば良いのですが…
あれ!?鼻チョンしちゃった!?
このトリック、実は結構難しいんです…。
節穴と天狗の位置を調整したにも関わらず、鼻チョンしてしまいました。
糸を上げ下げして何度か天狗と節穴の位置を調整したところ、
!!!口に糸がついた!!!
やっと位置が決まったので毒薬を垂らします。
毒薬は、見えやすいように絵の具を溶かした水を使います。
それでは節穴から狙いを定めて………
えいっ!!!
ボタボタッ!
嘘!?思いっきり外しました…。
全然天狗に当たってないですね…。
ちょっと床のホコリを拭くついでに天狗の位置を調整させてください。
(~調整中~)
それでは気を取り直してもう一度。
慎重に…えいっ!!!
ポチャポチャッ!
え!?!?やった!!!当たった!!!
あまりにも嬉しくてガッツポーズを決めてしまいました。
顔がわかりにくくて申し訳ないんですが、すっごい笑顔です。
しかし、
このトリックを再現するのに2時間以上もかかり、
10テイクほど毒薬を垂らして
そのたびに天狗と節穴の位置を調整して
腰も何故か痛くなり
手袋も途中から投げ捨てました。
今回、犯人になりたくてトリックを再現しましたが、わかったことが一つあります。
犯人は現実でも物語でもなるもんじゃない!
みなさんのこれからの人生の参考にしていただければと思います。
現場からは以上です。