お釈迦にしたい

お釈迦になる

意味:だめになる。出来損ないになる、使い物にならなくなる、といった意味の言い回し。

 

物が壊れたとき

「だめにしちゃった」と言うより、

「お釈迦なった」と言う方が悲しみが減る気がする。

運命の導きによって壊れたみたいな言い回し。

カッコいい。

もし言われたら「お釈迦になったらしょうがないか~」と許してしまいそうになる。

 

機会があれば言ってみたい言葉だが、

お釈迦になるときは突然で、咄嗟には出てこない。

最近、仕事で使うケーブルを断線させてしまったとき、

「あちゃ~~~!!!」

と、悶えることしかできなかった。

 

咄嗟に言えないならば、

文字通り”物をお釈迦様”にしてしまえば

「お釈迦にしてしまった」言い放題になるのではないだろうか。

 

物をお釈迦様にするとは?

つまりこういうことである。

万物お釈迦計画

お釈迦様を画像検索したところ、

仏像、銅像、仏教画と様々な参考画像が出てきた。

ポージングや服装は異なるものの、

長い耳たぶと

くるくるとした髪型、

おでこの突起(調べると白毫という毛らしい)が共通している。

この特徴パーツがあれば「お釈迦にした」と言い張れる気がする。

 

早速、つくってみよう。

作る(前途多難)

意気揚々と100均に行き、材料を買ってきた。

耳のパーツは黄色いアクリル板にした。

この透け感にときめいた!

耳たぶ=柔らかいイメージがあるが、

クリアパーツってめちゃくちゃカッコイイなと思ってアクリル板を買ってしまった。

お釈迦様しかりアクリル板しかり、シンプルでカッコいい存在に弱いのだ。

 

アクリル板に耳を書き込む。
一番耳穴っぽい数字”6”

アクリル板をカッターで切る。

硬すぎて全然切れていない。

 

パッケージにカッターの絵がついていたため

「カッターで切れるんだ!」と思って買ってきたが、

よくよく見たら

「アクリルカッターやプラスチック専用カッターなどで切ってください」とあった。

 

黒猫ちゃんカッターでは流石に無理だった。

ハサミも歯(刃)が立たなかった。

 

専用のカッターを買おうかと調べたら、

専用カッターでも曲線のカットは難しいらしい。

 

軽い気持ちで買ってきたことを反省した。

カッコいいだけではダメだった。

 

耳パーツは後で考えよう。

気持ちを切り替えて、次はくるくるの髪型をつくる。

 

くるくるの髪型には

金のプラ板に金色のビーズを貼り付けていく。

接着剤でビーズを一粒一粒プラバンに貼っていく。
楽しい。

1時間かけてビーズを貼り付けた。


接着剤を乾かし、ビーズを縁取るようにプラバンを切ろうとしたら、

手からこぼれ落ちる。

全てバラバラになってしまった。

はぁ・・・!

あとから考えれば分かるが、球体を平面に付けると崩れやすいに決まってる。

思い付きで行動すると失敗するという教訓を2度も得た。

 

悲しい気持ちと目を合わさないように

金色のビーズを集めながら数の子に思いを馳せてみた。現実逃避。このまま食べたい。

そうだ、ビーズ同士をくっつけてみよう。数の子のように。

接着面が狭いため、ビーズ同士でくっつくか不安だったが、
意外にもしっかりくっつけることができた。

あら、良い。

刺す部分は、お弁当用ピックの持ち手部分を切って接着剤で張り付けた。

プラ板に貼るよりも、こっちの方が良い気がする。

災い転じて福となす、想像よりも良くなって嬉しい。

額の突起(白毫)もビーズとピックで作る。
よく見ると異生物が生まれる瞬間みたいで不安になる。

 

耳は、やはりクリアパーツで作りたかったため、

別日にUVレジンを一式買ってきて再挑戦した。

粘土で耳を作り、お湯で柔らかくなるねんどで型をとる。

型にレジンを流しこみ、UVライトを照射する。

 

完成!
耳無し芳一から取った耳のよう。

 

初めてレジンで立体物を作ってみたがすごく楽しい。

本当はもう少し大きいサイズにしたかったが、

レジンは内容量に対して値段がそこそこするため

可愛らしいサイズ感にした。

 

髪・白毫・耳の3つのパーツが揃ったので万物につけてみようと思う。

 

お釈迦にするぞ!

初めにお釈迦様にするものは決めている。

 

お釈迦様…お釈迦様…

釈迦…釈迦…

 

そう、

 

 

シャカチキ(チキンのみ) | メニュー情報 | マクドナルド公式

 

シャカシャカチキンだ。

 

「釈迦釈迦チキン」

小粋なギャグで恐縮だが、まずシャカシャカチキンをお釈迦様にしようと思う。

走って買ってきた。

 

マックでシャカシャカチキンを買ってきた後

急に思い立って、お釈迦様パーツにパッケージを作ってみた。

駄菓子屋風ラベル。
お釈迦にするテンションが上がる。

ポップな気持ちでつくったのに
「君もお釈迦にしよう」の一文が怖い。

並べるとハッピーセットみたいになる。

iPadで描いて、セブンイレブンで印刷してきた。

100均で袋と穴あけパンチとホッチキスも買ってきた。

思い付きで行動すると失敗する教訓を得ているので、

失敗する前に早くお釈迦にしよう。

 

いざ、シャカシャカ


この時の写真を見返すと、顔が強張っている。
いつもシャカシャカチキンは楽しい気持ちで振っているのに。

お釈迦にするって、少し緊張する。

 

さて、振り終えたので・・・

袋を開けて・・・

いざ!

この美味しそうなシャカシャカチキンに

パーツをつけて、完成!

 

シャカシャカチキンを

「お釈迦にしてしまった!」

嬉しい〜〜〜

ほら!やっぱりクリアパーツは“良い”!!!!

日光にかざしたとき、その美しさに息を呑んだ。

お釈迦様になると神々しくなる。

ちなみにシャカシャカチキンは190円で買える。

恐れ多くも一緒に写真を撮らせていただいた。

お釈迦にしたのに不思議と愛着が湧いてきた。

このまま飾って、ときたま日光に透かしたい。

 

しかし、このお釈迦様は本来はシャカシャカチキンだった。

食べるか…。

外すとき、少し悲しかった。

でもお腹は空いていたのでめちゃくちゃ美味しかった。
お釈迦にしたからか、より美味しく感じる。

ごちそうさまでした。

「お釈迦にする」は本来マイナスな言葉だが、

「お釈迦様にする」と気軽に物を神々しく出来て楽しい。

 

もっとお釈迦にしてみよう。

 

もっと!お釈迦に

スマホをお釈迦にしてしまった!

右手をお釈迦にしてしまった!

眼鏡をお釈迦にしてしまった!

チョコパイをお釈…ガネーシャにしてしまった!

すごく楽しい。

物には神が宿ると言われるが、それを具現化しているみたいだった。

お釈迦にすると愛おしさが増す。

今後は壊すのではなく、宿す方向でお釈迦にしていきたい。

 

 

余談

お釈迦様のパーツを作る時、

リビングのど真ん中にあるこたつで作業していたため、

家族が興味津々で見てきた。

「UVライトを直視してはいけない」共通認識から

UVライトを照射するときだけ、

こたつから散り散りになるのが面白かった。

 

家族団欒の対義語はUVライトなのかもしれない。